2023年6月27日の大学礼拝動画の配信

Date:2023.06.27

2023年度前学期第11回大学礼拝

【大学礼拝動画の配信】

 

2023年6月27日の大学礼拝動画の配信をします。

視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1UgqnOxU_cPmO3jlw4YttKCW7hfQETWKl/view?usp=sharing

 

【本日の聖書】

ヨハネによる福音書3章5−6節

【新共同訳聖書】  

 5イエスはお答えになった。「はっきり言っておく。だれでも水と霊とによって生まれなければ、神の国に入ることはできない。 6肉から生まれたものは肉である。霊から生まれたものは霊である。」

【本日の奨励】

「霊肉二元論――ヘブライズムからヘレニズムへ」
小林昭博(宗教主任)

 本日の聖書はイエスとニコデモの対話の続きの場面であり、ヨハネ福音書の宗教観と人間観が記されています。5節は3節の新たに生まれるように勧めるイエスの比喩的な発言に、4節でその意味を理解しないままに応じたニコデモに対するイエスの答えです。「はっきり言っておく」は原文を直訳すると「アーメン、アーメン、わたしはあなたに言う」となります。「アーメン」は「そうなりますように」という願いを込めて祈りの最後に使うものですが、イエスはそれを最初に持って来ることで、自分の発言に耳を傾けるように促しています。しかも、ここではアーメンが2度繰り返されていますので、これから語られることがいかに重要であるのかに注意を喚起しています。「水」は「洗礼」を象徴しますが、これは「洗礼」が罪の赦しを象徴するキリスト教のイニシエーション(入会儀礼)になった時代に最終編集者によって付加されたものと思われます。「霊」は3節の「新たに生まれなければ」と同じ意味ですので、前回の奨励題の「re-born」=「一からやり直すこと」を意味します。「洗礼」は元来「滴礼」ではなく「浸礼」で行われ、水に象徴される死の世界に全身を浸け、水から上げられて、死から甦ることを表しますので、生まれ変わること、再生を意味します。そして、このように再生することが「神の国=天国」に入る要件だとヨハネ福音書は伝えます。6節は「肉から生まれたもの」と「霊から生まれたもの」を二元論的に提示しています。新共同訳が「者」ではなく「もの」と訳しているように、ここでは「生む」を意味するγεννάω(ゲンナオー)の分詞の中性・単数形が使われており、「肉に生きる者」と「霊に生きる者」のことではなく、「肉が生み出す物事」と「霊が生み出す物事」に言及しています。「肉」と「霊」を峻別する思想は「ヘレニズム」に起因します。「ヘレニズム」(ギリシャ思想)とはプラトンのイデア論に代表される二元論を特質とする考えです。それに対して、旧約聖書の元来の思想は「ヘブライズム」(ユダヤ思想)であり、世界や人間を統一的に理解する一元論を特徴とします。「ヘブライズム」と「ヘレニズム」は「西洋二大思潮」と呼ばれ、西洋思想の根幹を構成します。新約聖書やキリスト教は西洋二大思潮が重なり合いつつも、二元論を優位とする思想から成ります。ギリシャ哲学が「肉体は霊魂の墓場である」や「肉体は霊魂の牢獄である」と繰り返すように、ヨハネ福音書は――グノーシス主義と並ぶように――ヘレニズムの「霊肉二元論」から、肉を悪として斥け、霊にのみ価値を見出し、個人の魂の彼岸的な救済を強調するゆえに、個人の実存を重視する宗派で特に好まれてきました。そして、肉体(物質)の軽視がこの世界の軽視に繋がり、環境破壊などの遠因になったとも言われています。しかし、ヨハネ福音書が身体的・物質的な繋がりを重視していることが見落とされてきたと思うのです。なぜなら、ヨハネ福音書は此岸に生きる人間の現実の問題を「肉=この世」の問題として斥けているのでなく、「ヘブライズムからヘレニズムへ」の過渡期において、「肉」に象徴される我欲という罪に生きることではなく、「霊」に象徴される「互いに愛し合う」(ヨハネ13:34)という「愛」に生きるよう求めているからです。

 

礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1UgqnOxU_cPmO3jlw4YttKCW7hfQETWKl/view?usp=sharing