2024年度後学期第4回(2024年10月15日)大学礼拝動画の配信

Date:2024.10.15

2024年度後学期第4回大学礼拝

【大学礼拝動画の配信】

2024年10月15日の大学礼拝動画の配信をします。

視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1Eh68h5_ICY89vtc08Lt5VrdLEzxtOVww/view?usp=sharing

 

【本日の聖書】

ヨハネによる福音書5章1−3a、3b−4節

【新共同訳聖書】

 1その後、ユダヤ人の祭りがあったので、イエスはエルサレムに上られた。 2エルサレムには羊の門の傍らに、ヘブライ語で「ベトザタ」と呼ばれる池があり、そこには五つの回廊があった。 3aこの回廊には、病気の人、目の見えない人、足の不自由な人、体の麻痺した人などが、大勢横たわっていた。〔3b彼らは、水が動くのを待っていた。4それは、主の使いがときどき池に降りて来て、水が動くことがあり、水が動いたとき、真っ先に水に入る者は、どんな病気にかかっていても、いやされたからである。〕

 【本日の奨励】
「天使温泉――民間説話と湯治場」
小林昭博(宗教主任)

 ヨハネ5:3b−4は元来この福音書に含まれていなかったと考えられ、それゆえ新共同訳聖書は「†」マークを付してそのことを分かるように示し、福音書の最後に補遺として訳出しています。しかし、この部分は民間説話としても興味深いですので、本日はこの部分を含めてお話しいたします。
1節は物語の導入であり、イエスが祭りのためにエルサレムに巡礼したときの出来事であることが示されています。2節は物語の場面であるエルサレムの「ベトサダの池」の説明です。「羊の門」は旧約聖書にその建設が記されており(ネヘミヤ記3:11、32、12:39)、紀元前516年頃に完成したエルサレム第二神殿の城壁の北門です。3節aの「回廊」(庭を囲む通路)は正確には「柱廊」(一本の通路)であり、そこに病気の人たちが訪れていたようです。3b−4節は物語の意味を通じやすくするための後代の挿入ですが、池の水が動き、それが天使の水浴びだと信じられ、その後に真っ先に池に入ると、どんな病気も癒されるとの説明は民間説話として魅力的です。「水が動く」という表現から察すると、ベトサダは間欠泉であり、時折水が動き、それが天使の水浴びだとの噂が広まったようです。同様の内容がヨハネ9:1−7にもあり、そこでは「シロアム」という池が登場し、その意味が「遣わされた者=天使」だと説明されていますので、このような民間説話があちこちにあったことが窺われます。「池」という表現から、湧き出していた間欠泉は「温泉」ではなく「冷泉」ですから、正確には「天使冷泉」になりますが、日本的には「天使温泉」や「天使の湯」といった感じです。湯治場のようなものです。「天使温泉」の効能は万病に発揮され、天使の水浴び後の一番湯に浸かると、万病が癒されるベトサダの湯治場は賑わっていました。ヨハネ福音書は多く人たちが病気に苦悩する情景を描き、イエスが天使温泉を超える効能を発揮する奇跡行為者であることを示すことで、人々の痛みに寄り添うイエスの姿を描いているのです。世知辛い世の中では人の痛みに寄り添えることが奇跡なのかもしれません。人に寄り添うのが奇跡であれば、それはわたしたちにも可能です。

礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1Eh68h5_ICY89vtc08Lt5VrdLEzxtOVww/view?usp=sharing