2024年度後学期第3回(2024年10月8日)大学礼拝動画の配信

Date:2024.10.08

2024年度後学期第3回大学礼拝

【大学礼拝動画の配信】

2024年10月8日の大学礼拝動画の配信をします。

視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1XqH1Nl-EqW7L3MqE0b4b4OPswTMP5edX/view?usp=sharing

 

【本日の聖書】

ヨハネによる福音書4章51−54節

【新共同訳聖書】

 51ところが、下って行く途中、僕たちが迎えに来て、その子が生きていることを告げた。 52そこで、息子の病気が良くなった時刻を尋ねると、僕たちは、「きのうの午後一時に熱が下がりました」と言った。 53それは、イエスが「あなたの息子は生きる」と言われたのと同じ時刻であることを、この父親は知った。そして、彼もその家族もこぞって信じた。 54これは、イエスがユダヤからガリラヤに来てなされた、二回目のしるしである。

 【本日の奨励】
「しるし――奇跡物語伝承の生活の座」
小林昭博(宗教主任)

 本日の聖書はカファルナウムの王の役人の息子の癒しの物語の終結部です。51節はこの役人が帰路の途中で、彼を迎えに来た僕たちから息子が生きていることを知らせてもらう場面です。僕たちが役人の息子が助かったことを逸早く知らせたくて急いでいますので、この役人が普段から優しい人だったことやその息子が大切にされていたことが伝わってきます。52節でこの役人は息子の病気が良くなった時間を聞き、53節でそれが「あな本日の聖書はカファルナウムの王の役人の息子の癒しの物語の終結部です。51節はこの役人が帰路の途中で、彼を迎えに来た僕たちから息子が生きていることを知らせてもらう場面です。僕たちが役人の息子が助かったことを逸早く知らせたくて急いでいますので、この役人が普段から優しい人だったことやその息子が大切にされていたことが伝わってきます。52節でこの役人は息子の病気が良くなった時間を聞き、53節でそれが「あなたの息子は生きている」とイエスが言ったのと同じ時間であったことを知り、イエスを信じるようになったことが報告されています。最後の54節でこの奇跡はイエスがガリラヤで行った第二のしるしであるとの説明があり、これがカナの婚宴に続く奇跡であることを暗示して物語は閉じます。
この物語は典型的な奇跡物語の類型を示しています。その類型とは「導入部」(奇跡行為者の登場や病気の状況説明など)、「提示部」(助けを求める訴えなど)、「中心部」(奇跡行為など)、「終結部」(奇跡行為に対する驚きやイエスを信じるようになった反応など)で構成されています。聖書の奇跡物語は物語として読めば、笠地蔵などの日本の昔話のように痛快で面白いのですが、啓蒙思想を経た近代的科学主義を通過した現代人にとっては躓きの石でもあります。イエスの教えは素晴らしいけど、奇跡を信じろと言われてもと感じる人も多いでしょうし、それも致し方のないことです。イエスの奇跡物語は今から2千年前の出来事ですから、古代人と現代人の認識の違いもあるのですが、古代にも奇跡を信じない人がいたことも知られていますし、反対に現代でも奇跡を信じる人がいたりもします。では、奇跡物語はどのように読むといいのでしょうか。わたし自身は副題にある「生活の座」(Sitz im Leben)を理解することが大切だと思っています。生活の座とは伝承を生み出したり、担ったりした人たちの生活の状況を表します。この視点から考えると、この奇跡物語は瀕死の息子を思う父やその周囲の人たちの様子を伝えており、この物語の生活の座が大切な人を思う人たちの愛情であったことが分かります。大切な人が瀕死の状態になってしまったとしたら、助かるのであれば何でもすると思ってしまいますし、信仰を持たなくても祈ってしまうのではないでしょうか。この奇跡物語が伝えているのは、人が人を思う気持ちに寄り添ってくれたのがまさにイエスだったということです。今この世界に必要なのも人が人を思う気持ちとその気持ちに寄り添うことのできる優しさと温かさです。

礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1XqH1Nl-EqW7L3MqE0b4b4OPswTMP5edX/view?usp=sharing