2024年度後学期第1回(2024年9月24日)大学礼拝動画の配信

Date:2024.09.24

2024年度後学期第1回大学礼拝
後学期の礼拝が始まりました。みなさん、ご出席ください。
ご出席できないときは、ウェブ礼拝(動画視聴)でご出席ください。

【大学礼拝動画の配信】

2024年9月24日の大学礼拝動画の配信をします。

視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1cFu2ED01covnLAgy0gbaDEQ7OPHSaXbr/view?usp=sharing

 

【本日の聖書】

ヨハネによる福音書4章46−47節

【新共同訳聖書】

 46イエスは、再びガリラヤのカナに行かれた。そこは、前にイエスが水をぶどう酒に変えられた所である。さて、カファルナウムに王の役人がいて、その息子が病気であった。 47この人は、イエスがユダヤからガリラヤに来られたと聞き、イエスのもとに行き、カファルナウムまで下って来て息子をいやしてくださるように頼んだ。息子が死にかかっていたからである。

 【本日の奨励】
「命どぅ宝――命こそ宝」
小林昭博(宗教主任)

 ヨハネ4:46−47はイエスがガリラヤのカナで王の役人の息子を癒した奇跡物語の導入部分です。これはヨハネ福音書以前に存在していた「しるし資料」(Semeia-Quelle/Zeichenquelle)に遡源する古い伝承です。場面設定のカナはヨハネ2:1−13でイエスが婚宴において水をワインに変える奇跡を行った場所でもあります。46節はカナにイエスが再びやって来たときの出来事として物語を伝え、カファルナウムにいる王の役人の息子が病気であることが報告されています。カファルナウムはガリラヤ湖沿岸の港町であり、イエスが活動を開始した場所でもありますので、王の役人もイエスのことを伝え聞いていたと考えられます。王の役人とはガリラヤの領主ヘロデ・アンティパス(ヘロデ大王の息子)に仕えていた役人であり、並行記事のマタイとルカでは百卒長(百人隊長)となっていますので、平時は役人として、非常時には軍人として働いていたと考えられます。その役人の息子が病気になり、彼は困り果てていました。47節はこの役人がイエスがユダヤ地方からガリラヤ地方来たことを聞きつけ、イエスにカファルナウムまで来てくださるよう懇願したのです。息子が病気で死に瀕していたため、イエスが来るのを今か今かと待ち構え、しかし息子を直接連れて来ることは叶わないため、自らイエスのもとに馳せ参じたのです。
この役人は非常時には軍人であり、戦争で多くの命を奪っていたでしょう。また、平常時にも――洗礼者ヨハネを斬首した領主――ヘロデ・アンティパスの命を受け、民衆に手をかけていたことも想像に難くありません。しかし、この役人もひとりの人であり、息子が死に瀕したとき、その命の重さの前に居ても立ってもいられなくなってしまったのです。
本日の奨励題の「命どぅ宝」とは沖縄戦を経験した沖縄の人たちの魂の叫びであり、「命こそ宝」を意味します。古代世界は人権意識に乏しく、民衆の命など取るに足りないものであり、命の重さは平等ではありませんでした。それに対して、現代は命の重さは平等のはずです。しかし、先の二度の世界大戦、それ以降の大きな戦争、そして現在のロシアとウクライナ、イスラエルとパレスティナ・ガザの戦争は命が平等ではない現実をまざまざと見せつけます。世界の飢餓と貧困も同様に命が平等ではないことをありありと示します。後学期の礼拝が始まり、学生のみなさんがキャンパスに戻り、大学が活気に溢れています。それは命の輝きです。その姿に間近に接し、日本と世界の情勢に思いを馳せるとき、「命どぅ宝――命こそ宝」が真に大切される世界を創っていきたいとの思いを新たにします。

 

礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1cFu2ED01covnLAgy0gbaDEQ7OPHSaXbr/view?usp=sharing