2022年7月26日の大学礼拝(リモート礼拝)のお知らせ(前学期最終礼拝)
Date:2022.07.20
2022年度前学期第15回大学礼拝
【リモート礼拝(礼拝動画の配信)】
礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(
https://drive.google.com/file/d/1f5gAI0IdCDBHT3Qa1OiltaH1GFL3hk0c/view?usp=sharing
【本日の聖書】
フィリピの信徒への手紙4章21−23節
【新共同訳聖書】
21キリスト・イエスに結ばれているすべての聖なる者たちに、よろしく伝えてください。わたしと一緒にいる兄弟たちも、あなたがたによろしくと言っています。22すべての聖なる者たちから、特に皇帝の家の人たちからよろしくとのことです。23主イエス・キリストの恵みが、あなたがたの霊と共にあるように。
【本日の奨励】
「挨拶を交わす」
本日は前学期の最終礼拝です。講解説教として続けてきたフィリピ書も今回でちょうど切り良く読み終えることになります。今日の聖書は手紙の結びの挨拶です。21節はパウロとその側近たちからフィリピの人たちに送った挨拶が記されています。「すべての聖なる者」はフィリピの教会の人たち全員を表します。原文は単数になっており、22節でローマの教会の人たちを「聖なる者たち」と呼ぶときには複数形が使われていますので、ここではパウロが今も自分を支えてくれているフィリピの人たちを集合人格的に表し、フィリピの教会が一致してパウロを支えてくれていることを単数形で「すべての聖なる者」と呼んでいるのだと考えられます。20節でパウロは結びの挨拶として、最初に個人的な挨拶を送り、続けて「わたしと一緒にいる兄弟たち」からのフィリピの人たちに対する挨拶を送っています。この「一緒にいる兄弟たち」という表現は、ローマで拘禁中――厳密には皇帝の裁判を待つ間に自分で家を借りて住む軟禁中――のパウロと生活を共にしている非常に近しい人たちを表します。22節はローマの教会の人たち、そして特にローマ皇帝の家の人たちからの挨拶を記しています。「聖なる者たち」は20節とは異なり、通常の複数形が使われていますので、パウロ自身もまだ会ったことのない首都ローマにある多数の教会の多くの人たちを念頭においているのだと思います。「皇帝の家の人たち」は皇帝の家の使用人を表す言葉ですので、ローマ帝国内の諸都市に散在する皇帝の使用人である奴隷や解放奴隷を意味するとの意見もあるのですが、私見ではフィリピ書はローマで書かれたと思いますので、キリスト教に改宗したローマにいる帝国の役人を指すものと思います。彼らはローマ帝国の役人として拘禁中のパウロの身を案じて、様々な手立てを取ってくれたと考えられますので、特に名をあげられているのだと思います。23節は手紙の最初の挨拶の祝祷と同じように、最後の挨拶の祝祷です。
フィリピ書の結びの挨拶において、パウロは自分だけではなく、様々な人たちからの挨拶を記しています。挨拶はコミュニケーションとして人と人との関係を円滑にします。知らない人であっても、挨拶で名をあげられると、いつの間にか知り合いになった気持ちになり、信頼関係も生じますので、パウロは色々な人たちを挨拶に登場させることで、時間と距離を超えた人と人との新たな信頼関係や強い絆を創り出しているのです。たかが挨拶、されど挨拶です。「挨拶を交わす」ことを通して、わたしたちも人と人をつなぐ新たな人間関係や強い絆を創り出していきたいと願います。
礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(
https://drive.google.com/file/d/1f5gAI0IdCDBHT3Qa1OiltaH1GFL3hk0c/view?usp=sharing