クリスマス礼拝:2021年12月21日の大学礼拝(リモート礼拝)のお知らせ

Date:2021.12.16

クリスマス礼拝

2021年度後学期第14回大学礼拝

【リモート礼拝(礼拝動画の配信)】

 

礼拝動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1F3haLfU1IGi80WJ2s_IFDMFHO7o3RNV2/view?usp=sharing

 

【本日の聖書】

マタイによる福音書2章1−12節

【新共同訳聖書】  

 1イエスは、ヘロデ王の時代にユダヤのベツレヘムでお生まれになった。そのとき、占星術の学者たちが東の方からエルサレムに来て、2言った。「ユダヤ人の王としてお生まれになった方は、どこにおられますか。わたしたちは東方でその方の星を見たので、拝みに来たのです。」3これを聞いて、ヘロデ王は不安を抱いた。エルサレムの人々も皆、同様であった。4王は民の祭司長たちや律法学者たちを皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした。5彼らは言った。「ユダヤのベツレヘムです。預言者がこう書いています。
6『ユダの地、ベツレヘムよ、
   お前はユダの指導者たちの中で
   決していちばん小さいものではない。
   お前から指導者が現れ、
   わたしの民イスラエルの牧者となるからである。』」
7そこで、ヘロデは占星術の学者たちをひそかに呼び寄せ、星の現れた時期を確かめた。8そして、「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言ってベツレヘムへ送り出した。9彼らが王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が先立って進み、ついに幼子のいる場所の上に止まった。10学者たちはその星を見て喜びにあふれた。11家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた。彼らはひれ伏して幼子を拝み、宝の箱を開けて、黄金、乳香、没薬を贈り物として献げた。12ところが、「ヘロデのところへ帰るな」と夢でお告げがあったので、別の道を通って自分たちの国へ帰って行った。

 

【本日の奨励】

「力なき幼な子にこそ」

 マタイ2:1−12はイエスの誕生を「東方の占星術の学者たちの来訪」として描いています。新共同訳聖書が「占星術の学者」と訳すギリシャ語のμάγος(マゴス)は、ラテン語ではmagusですが、英語のmagus(単数)/magi(複数)やmagicの語源でもあり、古代のペルシャやバビロニアといった東方世界(オリエント世界)において、天体の運行や夢判断を通して国の先行きを占うゾロアスター教の祭司・賢者として知られる存在です。宗教は怪しいと遠ざけながらも、星座占いを信じる方も多いと思いますが、古代世界では星の運行を見たり、天候を判断したりすることは、種蒔きや収穫などの農業と宗教のカレンダーの作成や船旅などの長距離の旅程の道標として欠くべからざるものでした。したがって、東方の博士たちは国や社会の過去・現在・未来を左右する宗教・社会・学問を手中に治めた東方世界の権力者として登場しているのです。そして、東方の博士たちからメシア(救い主)の誕生の場所を聞き出し、その存在を消し去ろうとして登場するのがローマからユダヤの王(βασιλεύςバシレウス)を名乗ることを許されたヘロデでした。しかし、このような権力者たちを揺り動かしたり脅かしたりしているのは、イエスというひとりの「幼子」(παῖςパイス)です。パイスには英語のboyと同じように「奴隷/下僕/召使」という意味もあります。つまり、ヘロデが畏怖し、東方の博士たちが礼拝したのは「最も力なき幼子」だったのです。幼子は最も弱く、守られなければ生きていけない最初に切り捨てられてしまう存在です。そのような最も力なき幼子イエスを最も大切にしているのがマタイの描くクリスマスなのです。「力なき幼な子に」象徴される「力なき者/弱き者/小さき者/苦しめる者」が大切にされ、共に祝うことのできるクリスマスの平和を祈りましょう。

 

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