2020年12月15日大学礼拝(リモート礼拝)のお知らせ
Date:2020.12.10
2020年度後学期第12回
大学礼拝(リモート礼拝)
聖書の言葉とメッセージの動画の配信
聖書とメッセージの動画の視聴にさいしては、以下のリンク(
https://drive.google.com/file/d/1SNAjq8-MqWTfxYW3N_Y1Og1bD79lRN7y/view?usp=sharing
聖書 ヤコブの手紙4章1−10節
奨励 「互いを思い遣る世界を追い求めて」小林昭博(宗教主任)
【本日の聖書】
ヤコブの手紙4章1−10節
【新共同訳聖書】
1何が原因で、あなたがたの間に戦いや争いが起こるのですか。あなたがた自身の内部で争い合う欲望が、その原因ではありませんか。2あなたがたは、欲しても得られず、人を殺します。また、熱望しても手に入れることができず、争ったり戦ったりします。得られないのは、願い求めないからで、3願い求めても、与えられないのは、自分の楽しみのために使おうと、間違った動機で願い求めるからです。4神に背いた者たち、世の友となることが、神の敵となることだとは知らないのか。世の友になりたいと願う人はだれでも、神の敵になるのです。5それとも、聖書に次のように書かれているのは意味がないと思うのですか。「神はわたしたちの内に住まわせた霊を、ねたむほどに深く愛しておられ、6もっと豊かな恵みをくださる。」それで、こう書かれています。「神は、高慢な者を敵とし、/謙遜な者には恵みをお与えになる。」7だから、神に服従し、悪魔に反抗しなさい。そうすれば、悪魔はあなたがたから逃げて行きます。8神に近づきなさい。そうすれば、神は近づいてくださいます。罪人たち、手を清めなさい。心の定まらない者たち、心を清めなさい。9悲しみ、嘆き、泣きなさい。笑いを悲しみに変え、喜びを愁いに変えなさい。10主の前にへりくだりなさい。そうすれば、主があなたがたを高めてくださいます。
【本日の奨励】「互いを思い遣る世界を追い求めて」
「互いを思い遣る世界を追い求めて」(奨励題変更しました)
ヤコブ4:1−10は、1−4節では「欲望」が人間の「戦いや争い」の原因であると述べ、5−10節では神に近づくことによって、欲望の対極にある謙遜さを身につけるようにと勧めています。1−4節は実際の戦争を問題にしているものではありませんが、前回の礼拝でお読みしたヤコブ3:13−18が現代で言う積極的平和の大切さを強調していることを考えると、戦争という最悪の事態をも含めたあらゆる「戦いや争い」に言及していると考えられます。そして、「戦いや争い」がこの世界から絶えないのは、3節が示唆するように、わたしたち人間が自分の快楽を満たすための欲望に支配され、自己満足の欲望と欲望とがぶつかり合ってしまっているために、誰も満足することのない不満と不安がはびこる社会になってしまっているとヤコブ書は語っているのです。5−10節はこのような不安定な社会の直中にあって、わたしたちにできることとして、この世界の習わしに抗って、神に近づくことだと強調しています。神に近づけば、神も近づいてくださるというのは、文字通り神に近づけば、神も近づいてくださるという宗教的な意味でもあるのですが、それは自分の欲望を満たす高慢で利己的な生き方を離れて、他者のために献身的に生きる遜った愛他主義をも意味しており、自らの身をもって愛他的に他者に接することで、相手も自分に愛他的に接してくれるという隣人愛を大切にするヤコブ書の篤い思いが込められています。むろん、ヤコブ書が強調するこのような考え方や生き方は甘い理想主義と批判されるかもしれませんが、アドヴェントのとき、自己や自己の属する集団や国家の利益のみを満たそうとする人間の欲望と欲望が渦巻く「戦いや争い」に満ちた世界よりも、自分や自分の属する集団や国家の利害を超えて互いを思い遣ることのできる世界を追い求めたいのです。
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