2020年10月27日大学礼拝(リモート礼拝)のお知らせ

Date:2020.10.22

2020年度後学期第5回

大学礼拝(リモート礼拝)

聖書の言葉とメッセージの動画の配信

 

聖書とメッセージの動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。

https://drive.google.com/file/d/1m5XQOvTBOkw2dyxEKnlopYfzaYN28Ty3/view?usp=sharing

 

聖書 ヤコブの手紙1章19−21節

奨励 「聞くに早く、語るに遅く、怒るのに遅く」小林昭博(宗教主任)

 

【本日の聖書】ヤコブの手紙1章19−21節

19わたしの愛する兄弟たち、よくわきまえていなさい。だれでも、聞くのに早く、話すのに遅く、また怒るのに遅いようにしなさい。20人の怒りは神の義を実現しないからです。21だから、あらゆる汚れやあふれるほどの悪を素直に捨て去り、心に植え付けられた御言葉を受け入れなさい。この御言葉は、あなたがたの魂を救うことができます。

 

【本日の奨励】「聞くに早く、語るに遅く、怒るのに遅く」

キリスト教は「聞くに早く、語るに遅く、怒るのに遅く」という言葉を大切にしてきました。旧約聖書外典(続編)のシラ書5章11節に「耳を傾けるときには速やかに/しかし、ゆっくりと答えよ」という格言がありますので、ヤコブ書はユダヤ教の格言を参考にして新たな教えを提示しています。「聞くに早く」とは人間関係で大切なのはまず他者の言葉に耳を傾けること、すなわち他者に寄り添って相手を理解することだと伝えています。「語るに遅く」とはわたしたちが自分の意見や考えを相手に押し付けてしまいがちであることを戒めています。そして、最後の「怒るのに遅く」は「聞くに早く」と「語るに遅く」を総合したものであり、「聞くに早く、語るに遅い人」は他者を理解しようとする開かれた姿勢でいるゆえに、「怒るのに遅い人」だと敷衍しているのです。このことから類推すると、その正反対の「怒るのに早い人」は、相手を理解しようともせず、人の話を聞くこともなく、自分の考えを押し付けて相手を自分の意のままにしようとしているために、絶えず苛立ちを抱え、怒りに支配されている人だということが理解できます。しかし、いくら温厚な人であっても、忙し過ぎると、気持ちに余裕がなくなり、つい苛立ってしまいますので、――わたしのように「怒るのに早い者」だけではなく(反省!)――これは誰しもが気を付けないといけないことでもあります。20節は「怒り」が神の意に反するものだと語ることで、怒りから遠ざかるように呼びかけています。そして、21節は――正確に訳すと――「柔和さのうちに生得の言葉を受け入れなさい」と記されていますので、「怒り」の対極にある「柔和さ」こそが「聞くに早く、語るに遅く、怒るのに遅く」生きることを可能にすると伝えています。もっとも、そのような生き方を自分の力で実現することは不可能に思えるのですが、わたしたちに生得的に与えられている「神の言葉」に耳を傾けることによって、実現可能だという希望が語られています。わたしたちの日常生活や大学生活でも、聞くことを蔑ろにしてしまうことが多々あると思うのですが、相手に耳を傾けるとは、開かれた気持ちで相手を理解しようとする姿であり、他者を通して自分の非を認めたり、自分が変えられたりすることを厭わない生き方を求め続ける姿勢でもあります。

 

聖書とメッセージの動画の視聴にさいしては、以下のリンク(Google Drive)をクリックしてください。